米Googleが展開する「Google Fi」は、アメリカでスタートしたMVNOサービスであり、その最大の特徴は、世界211か国でアメリカ国内と同じ基本料金でローミングをおこなえること。また、一般的なMVNOと違い、米国のT-Mobile、Sprint、US Cellularの3社から回線を借り、最も速度が早い電波を自動的に選択して通信をする仕組みになっている。
※「Google Fi」は、2015年に「Project Fi」という名称で開始されたサービスで、2018年11月に「Google Fi」へと名称が変更された。
参考サイト:Google Fi - Rates for International calls, SMS and roaming
更新履歴
- 2019/02/25:Fiのアカウント設定について追記
制限事項
素晴らしいサービスである「Google Fi」だが、万能というわけではない。
2019年2月現在、「Google Fi」は米国在住者を対象としたサービスであり、Web経由で購入するには米国の住所および米国のGoogleアカウントでの登録をおこない、支払方法として米国発行のクレジットカードが必要となる。Googleがどういう基準でアカウントの国を判断しているのかは不明。ただ、2016年からは米国内の国際空港に自販機が設置され、2019年2月からはBest Buyでも購入できるようになる等、他国への展開が期待される。なお、Best Buyは米国外への配送はおこなっていない。また、SIMが入手できたとしても、アクティベーション時に米国のGoogleアカウントでの登録が必要となる。
また、「Google Fi」を利用するには、対応端末が必要となる。サービス開始当初は、Google Pixelに限定されていたが、サービス名称変更とともに対応端末も増えており、一部機能制限があるもののiPhoneでも利用可能となっている。なお、iPhoneで Google Fiを利用する場合、Google Fiアプリをインストールする必要がある。
参考サイト:Supported phone models - Google Fi Help
基本料金
Google Fiの基本料金は、下記の通り。なお、年間契約による割引制度はない。
料金項目 | 料金 |
---|---|
基本料金 | $20/月 |
データ通信料 | $10/GB |
基本の$20には、米国内での通話無制限と世界中でのSMS無制限が含まれる。データ通信料は、1GBごとに$10が追加される従量課金だが、その上限は$60となっている。ただし、通信量が15GBを超えた場合、通信速度が256kbpsに制限される。15GB超過時には警告が表示され、$10/GBを支払うことで速度制限を回避できる。また、6GB以下の場合、0.001GB(1セント分)刻みで利用量に応じた請求となる。(例:1.25GB利用の場合、$12.5の請求となる)
また、1契約につき5人まで同じグループに追加可能であり、その場合の料金は、以下の通り。
プラン | 基本料金 | データ通信料 | 通信料の上限 |
---|---|---|---|
1人利用 | $20/月 | $10/GB | $60 |
2人利用 | $35/月 | $10/GB | $100 |
3人利用 | $50/月 | $10/GB | $120 |
4人利用 | $65/月 | $10/GB | $140 |
5人利用 | $80/月 | $10/GB | $160 |
6人利用 | $95/月 | $10/GB | $180 |
なお、これらの請求額に対して、各州で定められた税金がかかってくる。
参考サイト:Google Fi - Frequently asked questions
請求期間
契約日が1日から27日の場合
契約日と同じ日にちで請求を締める。例えば、契約日が7月12日の場合、8月12日に1か月目の請求を締め、以降毎月12日に締める。
契約日が28日から翌2日までの場合
2日に請求を締める。例えば、契約日が7月29日の場合、9月2日に1か月目の請求を締め、以降毎月2日に締める。
国際電話及びローミング
米国内から他国へ電話する場合、もしくはGoogle Fiを米国外で利用する場合、以下の料金が発生する。
通話経路 | 発信料金 |
---|---|
電話回線を利用して発信 | 20セント/分 |
ハングアウトを利用して発信 | 通話先による |
米国外でハングアウト(IP電話)を利用して発信する場合、通話先のCalling Ratesに従って通話料金が異なる。例えば、2019年2月現在、日本の固定電話宛だと3セント/分、日本の3G携帯電話宛だと9セント/分、日本のVoIP宛だと4セント/分が発生する。
なお、自分が「Fi非対応国」に居る場合は全ての「Google Fi」サービスを利用することはできない。自分が「Fi 対応国」に居る場合は「Fi非対応国」からの電話やSMSを受信することはできる。
国際電話の着信料金は、以下の通り。
現在地 | 着信料金 |
---|---|
米国 | 無料 |
米国以外のGoogle Fi対応国 | 20セント/分 |
その他の国 | 利用不可 |
なお、SMSについては、Google Fi対応国なら、どこにいても無料で送受信できる。ただし、SMS送受信の相手には、キャリアごとに設定された送受信料金が発生する。
参考サイト:Rates for international calls - Google Fi Help
無料Wi-Fiの利用
米国内約100万箇所の無料Wi-FiにはVPNで自動接続する。
Fi認定機器の場合、Wi-Fi経由で電話(VoIP)をかけることができる。非認定機器もしくは別番号で電話をしたい場合、Googleハングアウトを利用することで、Wi-Fi経由で電話(IP電話)をかけることができる。
参考サイト:Use your phone outside the U.S. - Google Fi Help
アカウント設定(追記:2019/02/25)
“Fi登録するとGoogleアカウントの居住国が米国になる。結果、日本居住じゃないとインスコできないapkを別アカで引っこ抜いたりクソ不便。さっき気が付いたんだけどFi登録したアカ設定日本にできるようになってたYO!!!Playのアカウント設定から日本のクレカ登録して日本居住に変更するだけ簡単!”
参考サイト:をぢさんのツイート
その他
- MNPによる電話番号の維持は可能
- MNPによる番号の移動は15分程度で完了
- 契約に関する手数料や解除料は発生しない
- 最大10人までの友達紹介プログラムあり
- 新規利用者が30日以上利用を継続すると双方に$20が付与される
- 紹介人数は10人まで
参考サイト:Google Fi Help
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