ExpressWebのサービス終了のお知らせが来ていたので、サイトとメール環境の移行をおこないました。
移行環境
これまでの体制
- ドメイン管理:データジャパン
- サイト管理:ExpressWeb(Wordpress利用)
- メール管理:ExpressWeb
今後の体制
- ドメイン管理:データジャパン
- サイト管理:さくらインターネット(hugoを利用した静的サイト)
- メール管理:Google Apps for Work(Gmailで独自ドメイン利用)
hugoを利用したサイト管理への移行については、前回の記事に書きました。メール管理をGoogle Apps for Work(Gmailで独自ドメイン利用)に移行した理由は、以下のとおり。
- パソコンのブラウザやiPhoneやAndroid端末のGmailアプリから簡単に送受信できる
- 必要であれば、その他メールアプリからIMAP接続が可能
- メールサーバーとしての信頼性が高い
Google、さくら、それぞれと契約を結んでから、以下の手順で移行作業をおこないました。
DNSサーバーの切替(データジャパンでの作業)
ExpressWebのコントロールパネル上でドメインを利用することができなくなりましたが、引き続きデータジャパンでのドメインサービスを更新することにしたので、下記ページの説明にしたがって、DNSサーバーを切り替えます。
[ExpressWeb] サービス提供終了に伴うDNSサーバーの変更について - データ・ジャパン株式会社
<ドメインサービス用DNSサーバー名>
NameServer1:opendns01.datajapan.ne.jp
NameServer2:opendns02.datajapan.ne.jp
<DNSサーバーの切替>
お客様管理ポータルの[マイドメイン]から、ドメインのDNSサーバーの割り当てを変更する事ができます。
1. お客様管理ポータルにログインします。
2. ユーザーメニューの[マイドメイン]をクリックします。
3. DNSサーバーを切り替えるドメイン名の右側にある矢印(詳細)をクリックします。
4. レジストラロックのチェックを外し、下部の[変更を保存]をクリックします。
5. 詳細画面の中段[DNSサーバ]から、[独自のネームサーバを利用する]に選択します。
6. すぐ下のテキストボックスに、利用するDNSサーバー名を入力します。
7. テキストボックス直下の[変更を保存]をクリックします。
8. レジストラロックのチェックを入れ、下部の[変更を保存]をクリックします。
一点はまったのが、以下の注意書きにあるように、普通ならレンタルサーバー(さくらインターネット)のDNSサーバーを登録すればよいのですが、これをしてしまうと、メールサーバーもさくらインターネットに向いてしまいます。今回の移行では、メインとなるメールアドレスをGoogle Apps for Workで運用するため、MXレコードなどをDNSゾーンレコードに登録する必要があり、データジャパンの用意したDNSサーバーを登録する必要があります。
以下DNSサーバでは、DNSレコードの登録作業が必要ですので、他社の共用サーバなどをご利用の場合は、基本的に利用サーバ会社が提供するDNSサーバをご利用いただく方が簡単です。
さくらにドメイン(monoworks.co.jp)の追加(さくらインターネットでの作業)
サイト運営は、さくらインターネットでおこなうことにしたので、下記の作業をおこないます。
- さくらインターネットのサーバコントロールパネルを開く
ドメイン設定
を開き、新しいドメインの追加
ボタンをクリック5. 他社で取得したドメインを移管せずに使う
のドメインの追加へ進む
をクリック他社で取得した独自ドメインの追加
のドメイン名にmonoworks.co.jp
と入力して送信する
ボタンをクリック
※下記のような注意書きがありますが、これを設定すると、メールサーバーもさくらインターネットに振られてしまうので、今回は設定しません。
サーバの設定及びns1.dns.ne.jp及びns2.dns.ne.jpへの登録を行います。
ドメインのWHOISに登録されているネームサーバを次のようにに変更してください。
プライマリネームサーバ ns1.dns.ne.jp 210.188.224.9
セカンダリネームサーバ ns2.dns.ne.jp 210.224.172.13
独自ドメイン(monoworks.co.jp)用にGmailを設定(Google Apps for Workでの作業)
下記ページにしたがって作業をおこないます。
ドメイン用に Gmail を設定する方法 - Google Apps Quick Fixes ヘルプ
DNSゾーンレコードの登録(データジャパンでの作業)
DNSサーバーの変更と同じく、下記ページの説明にしたがって、DNSゾーンレコードに必要な情報を登録します。
[ExpressWeb] サービス提供終了に伴うDNSサーバーの変更について - データ・ジャパン株式会社
<DNSゾーンレコードの編集>
DNSサーバー[opendns01.datajapan.ne.jp/opendns02.datajapan.ne.jp]を利用する場合の
DNSゾーンレコードの編集方法です。
1.お客様管理ポータルにログインし、ユーザーメニュー[マイドメイン]をクリックします。
2.変更するドメインの右側にある矢印をクリックします。
3.[DNSゾーンの管理]の[Manage DNS]をクリックします。
4.適宜、レコード情報を入力していきます。
5.編集したレコードを確認し、[保存]をクリックします。
※新たにDNSレコードを追加する事も可能です。
DNSレコードを追加する場合は、[レコードの追加]項目に、
希望のレコードを入力し、[保存]ボタンをクリックします。
なお、各レコードの追加方法は以下の様になります。
○Aレコード設定方法○
1.タイプを[A]に選択します。
2.Name(レコード名)を入力します。
[入力例]
空欄/*/www/mail/サブドメイン名 など
sample.jpの場合(通常のドメインの場合)は[空欄]
xxx.sample.jpの場合は[xxx]のみを入力
www.sample.jpの場合は[www]のみを入力
[*](ワイルドカード)での設定も可能です
3.IPアドレス(IPv4)を入力します。
4.[保存]をクリックします。
○AAAAレコード設定方法○
1.タイプを[AAAA]に選択します。
2.Name(レコード名)を入力します。
[入力例]
空欄/*/www/mail/サブドメイン名 など
sample.jpの場合(通常のドメインの場合)は[空欄]
xxx.sample.jpの場合は[xxx]のみを入力
www.sample.jpの場合は[www]のみを入力
[*](ワイルドカード)での設定も可能です
3.IPアドレス(IPv6)を入力します。
4.[保存]をクリックします。
○NSレコード設定方法○
1.タイプを[NS]に選択します。
2.Name(レコード名)を入力します。(通常のドメインの場合)は[空欄]
3.[Target]にホスト名(通常は、DNSサーバ名)を入力します。
4.[保存]をクリックします。
○MXレコード設定方法○
1.タイプを[MX]に選択します。
2.Name(レコード名)を入力します。(通常のドメインの場合)は[空欄]
3.[Target]にホスト名(例 mail.sample.jp)を入力します。
4.[Priority]に優先順位を入力します。(値が小さいほど優先度は高くなります。)
5.[保存]をクリックします。
○CNAMEレコード設定方法○
1.タイプを[CNAME]に選択します。
2.Name(レコード名)を入力します。
別名を設定したいレコード名を入力します。
(例 sub.sample.jpのアクセスをsample.jpに向ける場合は[sub])
[*](ワイルドカード)での設定も可能です
3.[Target]にホスト名(例 sample.jp)を入力します。
4.[保存]をクリックします。
○TXTレコード設定方法○
1.タイプを[TXT]に選択します。
2.Name(レコード名)を入力します。(トップレベルドメイン)の場合は[空欄]
3.[Target]にテキスト(例 v=spf1 a mx -all)を入力します。
4.[保存]をクリックします。
○SRVレコード設定方法○
1.タイプを[SRV]に選択します。
2.Name(レコード名)に[_サービスの別名]と[ . ]と[_プロトコル名]を続けて入力します。
(例 ftpのサービスでtcpプロトコルを利用する場合は[_ftp._tcp])
3.[Host offering this service]にターゲット(サービスを提供しているサーバのホスト名)を入力します。
(例 server01.example.jp)
4.[Priority]に優先度を数字で入力します。
5.[Port]にポート番号を数字で入力します。
(例 ftpのサービスであれば[21])
6.[Weight]にウェイトを数字で入力します。
※同一サービスに対して複数のサーバが指定されており、それぞれのPriorityフィールドに
同じ値が指定されている場合は、Weight値で負荷分散を実現します。(0の場合は負荷分散はしません)
7.[保存]をクリックします。
最終的に登録したレコードは、以下のとおり
Name | Type | TTL | Target | Priority |
---|---|---|---|---|
A | 3600 | さくらで確認したIPアドレス | ||
www | CNAME | 3600 | さくらで確認したホスト名 | |
MX | 3600 | aspmx.l.google.com | 1 | |
MX | 3600 | alt1.aspmx.l.google.com | 5 | |
MX | 3600 | alt2.aspmx.l.google.com | 5 | |
MX | 3600 | alt3.aspmx.l.google.com | 10 | |
MX | 3600 | alt4.aspmx.l.google.com | 10 | |
TXT | 3600 | v=spf1 include:_spf.google.com ~all | ||
TXT | 3600 | google-site-verification=Google appsで取得した個別キー | ||
google._domainkey.monoworks.co.jp | TXT | 3600 | Google appsで取得したDKIMキー |
最終的にコストは上がった…だがしかし
以上の作業で、ドメイン管理をデータジャパン、サイト運営をさくらインターネット、メール管理をGoogle Apps for Workに振り分けることができました。
ドメイン管理(3,790円/年)は、移行前と移行後で変化ありません。その他の部分では、ExpressWeb(3,000円/年)のみの状況から、さくら(5,142円/年)+Google(6,000円/年×4人=2,4000円/年)の体制になったため、費用は約10倍に跳ね上がってしまいました。それでも、べらぼうに高い値段ではありません(ExpressWebが安すぎた)。
それよりも、メール運用をその他環境から分離できたこと、Google Appsにはメール以外もいろいろなサービスが付随していること、などを考えると、満足のいく値段です。
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